2001年12月16日(日)15:13

EU首脳会議に対して反響が分かれる

改革会議の召集については称賛 ‐ 安全保障・防衛政策の遅れには批判

ベルリン(AP)

ラーケン宮におけるEU首脳会議の成果は、ドイツ国内で相反する反響を呼び起こした。日曜日、政府・議会内で等しく称賛されたのは、EU改革提案を作成する改革会議Konventの召集であった。一方、批判の声が寄せられたのは、欧州の外交・安全保障政策の遅々たる歩みである。

緑の党のクリスティアン・シュテルツィング欧州政策広報官は改革会議を「近年の欧州政策の怠慢に対するいささかの罪滅ぼし」と呼んだ。しかし、いかに各国首脳にとって旧来の慣習に訣別することが難しいかを、欧州連合の官庁と出先機間の所在地決定をめぐる実りのない政治的取引が典型的に示した。また国家利益にこだわるあまり、欧州の安全保障・防衛政策の前進(ギリシャが反対)や、欧州の難民・移民政策の発展(ドイツが反対)が阻止されてしまった、と同広報官は批判した。

キリスト教民主同盟・社会同盟のフリードリヒ・メルツ議員団長は『ドイチュラントラジオ』で、ブリュッセルの首脳会合では欧州のアフガニスタン政策について合意が得られなかったと批判した。しかし改革会議の召集は肯定的に評価した。メルツは、政府が社会民主党(SPD)の政治家を改革会議へ派遣するならば、連邦議会の代表としてはキリスト教民主同盟・社会同盟所属の代表を改革会議に送るのが適切と考える、と述べた。

キリスト教民主同盟・社会同盟議員団のヘルムート・ハウスマン欧州政策広報官は、改革会議が召集されたことでようやく憲法制定プロセスが動き出したと称賛し、自由民主党(FDP)はこれにより欧州政策に一層の正当性が与えられるものと期待する、と述べた。ハウスマン広報官は、憲法草案を最終的に欧州市民の採決に委ねるよう求めた。

民主社会党(PDS)のシルヴィアイヴォンヌ・カウフマン欧州議員は、改革会議の召集を「欧州政治における一里塚」と呼び、これにより幾晩にもおよぶマラソン会議での秘密外交や政治的取引がこれを限りに過去の遺物になると期待する、と語った。

原題:Geteiltes Echo auf EU-Gipfel
Lob fuer Einberufung des Konvents - Kritik an schleppender Sicherheits- und Verteidigungspolitik